どうして私、こんな所にいるんだろう。

 は金髪の少年の横に座って、絵ハガキから飛び出してきたかのようにキレイな建物を眺めていた。

 落ち着かない……。

 お金持ちのお坊ちゃまやお嬢さまが通う聖アローズ。本当なら縁のない場所である。
 噴水がゆるやかな曲線を描いた水を創りだしている。水の向こうにゆらゆらと揺れている風景を見ながら、はこうなったいきさつを思い出した。
 始まりは、ある雨の日だった……。



第四話 転がったボール

ドッジ弾平ファンの皆さんへ10のお題より



「雨かあ」

 その日、グランドで練習をしている部員達を見ながら、マネージャーのは一人ため息をついた。
 雨に打たれたグランドの土はびしょびしょだ。それでもあの地味な練習を続けている。相方がトスしたボールをひたすらキャッチし続けるという練習。ドロドロになるのも気にしないで、皆は平気でスライディングキャッチをしている。

「洗濯が大変なのに」

 そうひとりごちる。はというと、一人だけ傘をさすのも悪い気がして雨に打たれていた。怪我の手当てに、ボール拾いに動くので、寒くはない。

 の立っているすぐ近くでは、火浦と一年生の部員が練習をしていた。

「ホラ」

 そう言って火浦は、ボールをのいる方向にトスした。一年生の子は、あんなのキャッチできないと言わんばかりの涙目でこっちを見る。確かに無理なことだった。それでもキャッチしようと走り出す。が、地面はどろどろだ。その子は足を滑らせて転んでしまった。より後の方で、ビチャっとボールが着地する音がした。

「相変わらず厳しいなあ」

 ため息をつき、はボールを拾いに行く。火浦が弾平を始めとする後輩に厳しくしても、何も言わないことにした。優しく接することが良いのだとは限らない。厳しくすることで後輩を成長させる優しさもある。
 足場の悪い地面でも、ボールはゆっくり転がっていた。泥で汚れたボールを拾い上げた時、バキっという音がした。

 今、ありえない音がした?!

 そう思って辺りを見回すと、近くでも遠くでもない微妙な所に二人の男の子がいるのに気がつく。一人は割りと大柄な男子で、もう一人はやや小柄な、金髪の男の子だった。金髪の方が傘もささず校門に向かい、その後を大柄な方が追おうとしている。は彼らのいた場所に折れた傘があるのを見つけた。

「ちょっと、そこの二人!」

 すぐに駆けつけ、呼び止める。二人は立ち止まって、振り返った。は傘を拾い上げて二人に近づく。

「ダメじゃない! 折った傘は自分で処分して!」

 大柄な方は傘を持っていたので、金髪の方に傘を差し出した。よく見ると、その男の子はビスクドールのようできれいだ。そんな子に泥のついた傘を渡して良いのか一瞬だけ躊躇したが、呼び止めてしまった手前、引き下がれないので構わずに押し付ける。
 二人は呆然としてを見ていた。なぜ叱られなければならないのか、分からないといった風に。はなおも続ける。

「傘を折るなんて、もったいないわよ? 物を大事にしなきゃ」

 主に金髪の子を見て注意をした。彼は何も言わず、うなずくこともせず、まだ呆然としてを見ている。は困った。こういう反応されるくらいなら、うるさいなどと口答えされる方が何倍もマシだ。

! ボール早く持って来い!」

 遠くで火浦の声がしたので、は二人に「これからは気をつけてね」と言い残してその場を去った。何となく、ナイスタイミングだと思う。

「お待たせ!」

 ボールを火浦に投げる。キャッチしてから、火浦はさっきまでのいた場所に目をやった。

「あの二人、もしかして大河と五十嵐じゃねえのか?」
「えっ? 大河くんって、聖アローズの?」
「たぶんそうだ。練習でも見に来たんだろう」

 はさっきの自分の行動を思い出して恥ずかしくなる。他校の生徒を叱っていたのか。それも、次の試合の相手に、だ。

「知らなかったから説教たれちゃったよ」

 そう言うと火浦は声に出して笑い、

「お前らしいな」

 と言った。別に悪口を言われてるわけではないと知っているので、も一緒に笑った。



 それが始まりだったのだ。
 それから数日経って、再び大河に会う機会があった。

 学校近くのスーパーでスポーツドリンクが安売りしていると朝刊の折り込みチラシで知ったので、試合に向けて買い込むことにした。試合に出るレギュラーの七人と控えの選手三人、計十人分なのでそんなに重くはないと思っていたものの、それが結構重い。
 後で誰かと一緒に行けばよかった、と後悔しながら両手に荷物を持って歩く。道路沿いの歩道を進んでいると、前からランニング集団が来た。道をどけなければならない。それが面倒なので思わず眉間にしわを寄せてしまう。
 オレンジ地に黒というデザインのユニフォームの集団は構わずに近づいて来た。ため息をついて道をどけようとすると、一番前を走っている金髪の少年に気づく。この前の少年だ。向こうもこちらに気がついたらしい。

「先に行ってくれ」

 横にいた部員に声をかけて、彼は立ち止まった。オレンジの集団は二人を避けながらペースを落とさずに走り続けた。
 なんだろう、とは思う。気がつけば、その少年――大河と向かい合って立ち止まった形になっていた。もしかして、この前のことで言いたいことがあるのだろうか、とは少し身構える。しかし自分が叱ったのは一応、相手が悪かったからだ。何もこちらがビクビクすることはない。は堂々と振舞うことにした。
 集団が走り去ってから、大河がにっこりと微笑んだ。
 何か言われるのかと思って身構えていたため、肩すかしを食らったような気になる。

「この前は、ごめんね」

 彼の方がよりも年下で、背も低いので、上目づかいだ。澄んだ瞳がきれいで、それに見惚れてしまう。重い荷物を持っているのを忘れかけたほどだ。

「弾平くんが練習もしないでサボっているところを見て、ついカッとなったんだ。それであんなことをしてしまって……」

 そう言って目を伏せた。長いまつ毛が今にも頬にかかりそうだ。

「いいのよ。気にしないで」

 はにっこり笑いかけた。その微笑みを見た大河の顔が、ぱっと赤く染まる。
 おもむろに、大河はの持っていた袋に手を伸ばしてきた。

「持つよ」
「え? これ、結構重いわよ?」
「平気さ」

 袋を一つ取り上げた。

「ランニングの途中なのに、いいの?」
「いいんだ」

 愛らしい笑顔をに向けてくる。ウィーン少年合唱団からスカウトが来るんじゃないかと、はぼんやり思った。
 結局、は大河の言葉に甘えることにした。二人で球小に向かう。

 もしかしたら、弾平くんの様子を見たいのかも。

 そう思いながらは、横を歩いている大河を見る。本当に美少年だ。上品さも兼ね備えている。ガサツな弾平とは全く違う。二人がどこでどう出会ったのかは知らないが、しかし今や二人はライバルだと言ってもいいだろう。親友であり、ライバルでもあるというのは女の子同士ではありえないことなので、少しうらやましい。

「まだ名乗ってなかったね。僕は二階堂大河。聖アローズのキャプテンだ」

 知っていると言いたかったけれど、せっかく名乗ってくれたのだという妙な思いやりから、は今初めてその名前を聞いたというふりをした。

「あなたが、大河くんだったのね」

 それは正直な気持ちだった。続けては、自己紹介をする。

「私は、。球小闘球部のマネージャーよ」
……。いい名前だね」

 紳士らしいセリフで、それは小学生には似合わないもののはずなのに、大河が言うと様になっていた。やはり育ちが違うからだろうか。思えば、荷物を持ってくれるというのも紳士的だ。それもわざわざランニングから抜けてまで……。

 球小に着いた。
 ちょうどランニングに出かけているらしく、グランドに闘球部の部員の姿はなかった。

「ごめんね。せっかくここまで来てくれたのに、弾平くんたちはランニングに行ってるみたい。たぶん、寺に行けば会えると思う」

 荷物を受け取りながらそう言うと、大河はゆっくりとかぶりを振った。

「いいんだ。次に弾平くんと会うのは試合の時だ」

 そう言って微笑む。
 すると、荷物を運ぶためにわざわざ一緒に来てくれたのかと、はすまなく思った。自分より年下の男子に運ばせたのだから。

「荷物ありがとう。助かったわ」
「どういたしまして。に会えて良かったよ」

 と、大河は背を向け、走り去った。

 今、って呼び捨てだったわよね?

 それが妙に引っかかった。出会ったばかりで、そんなに親しくなったわけでもないのに呼び捨てとは。

「ま、いいか」

 相手は年下だ。無邪気にそう言ったのかもしれない。その時はそう思うことにして、部室に戻った。



 そして、試合を明日に控えた今日。
 当日道に迷って試合に遅れないよう、が聖アローズの下見に来たのだ。校門で引き返すつもりだったのだが、たまたま近くにいた大河に見つかった。今日はブレザーにネクタイという制服姿だ。側に女の子が三人くらいいたので、取り込み中かと思い軽く手を振るだけにする。

!」

 大河は女の子から離れての側に来た。

「どうしてここへ?」
「うん、ちょっと明日のために下見に来たの」
「そうか」

 少し残念そうな顔をしたが、すぐに笑顔になっての手を引いた。

「せっかく来たのだから、案内するよ。ここから闘球場までは五キロほどあるからね」
「五キロ?!」

 一体、聖アローズの敷地はどれくらいあるのかと驚いてしまう。が目を丸くしている間、大河は女の子たちに、

「それじゃあ、君たちはここで。さよなら!」

 と別れを告げていた。そしての手を引いたまま走り出した。もつられて走る。

「何か取り込み中だったんじゃないの?」

 校門からしばらく走った後で聞くと、大河は頭を左右に振った。

「実は、つきまとわれていて困ってたんだ」
「へえ。もてるのね」

 はクスっと笑った。これくらいの美少年なら、もてない方がおかしいだろう。
 ところで、気がつけば大河はずっと手を握ったままだ。そろそろ離してくれてもいいのに。
 つないだ手を見ていると、大河がそれに気づいたのか、頬を染めながら、

「手、このままでもいい?」

 と聞いてきた。
 その聞き方がなんだか可愛らしかったので、いいよと言って許した。弟がいたらこんな感じなのだろうか。

 もしかして、懐かれてるのかな。

 ふと、そう思う。
 には兄弟がいない。だから叶が兄のような存在になってくれると聞いたときは嬉しかった。さらに大河が弟になってくれるのなら、それはそれで嬉しいことだ。が、こんなにキレイな弟だと姉は少しみじめかもしれない。
 それにしても、きれいな学校だ。イギリスかどこかの街並を移してきたかのようなキャンパスで、校舎もどこかのお屋敷みたいだ。球小や他の学校とは比べようもない。自分はこの場に相応しくないかもと、たじろいてしまう。ここだけ、別世界のような気もした。

「すごい学校ね」

 噴水まであるのを見て、ついため息が出てしまった。

、疲れた? 少し休もう」

 ため息ついたのを聞いて、くたびれたのだと勘違いしたのだろう。噴水の側にあるベンチに向かった。学校からずっと歩いてきたので疲れたことに変わりはない。は大河の言葉に甘えることにして、彼の横に腰を下ろした。



 こうして、今に至るわけである。
 足の疲れなどはとれたけれど、妙に落ち着かない。ここが別世界というのもあるが、明日の対戦相手とこうして並んで座っているというのも、その理由だろう。

「どう? 聖アローズは」
「とってもステキな所ね。ここで勉強ができるなんて羨ましいな」

 半分お世辞、半分本心では感想を述べた。大河はにっこりと笑い、自分の父親がここの副理事長なのだと言う。美少年で、ドッジの天才で、その上お金持ちの息子とは。それだけ揃えば女の子も寄ってくるわけだ。

「ありがとう、もう十分休んだわ。試合場所に案内してくれる?」
「うん」

 二人は立ち上がった。再び大河が手を握ってきた。やれやれ、とは大河のしたいようにさせる。
 しばらく歩いていて気がついたが、すれ違う女の子が嫉妬の目でこちらを見てくる。気づかなければ良かった。知らんふりをして、はじっと前を見つめることにした。

「ほら、あれが闘球ドームだよ」

 大河は指差して教えてくれたが、そうされなくても目についた。ローマのコロシアムを模した巨大なドーム。この聖アローズで何が出てきても驚かないと決めていただったが、さすがにこれには驚いた。

「コロシアム?」
「うん、よく知ってるね。あれが聖アローズの誇る、コロシアムのレプリカだよ」

 スケールが違いすぎる。ここはどこの国なんだと、あっけにとられた。
 中に入って、中央の競技場に出る。観客席がぐるりと競技場を囲んでいた。今は誰も使っていないのか、いるのはただと大河の二人だけ。

「すごい……」

 もう、すごいとしか言いようがなかった。コロシアムの頂上に立っている天使か女神の像を見ながら、は明日の試合について考えた。
 地面は塗装されていない。屈んで、地面に触れる。土だ。何の変哲もない土が指についた。土で汚れた指を見ながら、何となくほっとする。土は球小のグランドにあるのと同じだ。

「明日、雨が降らなきゃいいんだけど……」

 週間天気予報によると、明日は午後から雨らしい。このグランドではびしょびしょになるだろう。

「雨が降っても関係ないさ」
「そう?」

 立ち上がると、割と近くにまで大河が来ていた。自信に満ち溢れた表情が日光に照らされている。

「自信があるのね」
「もちろん。今まで僕はどんな物でも手に入れてきた。明日の試合の勝利も手にするさ。それから……」

 大河はの目をじっと見つめてきた。穴があくほど見つめられるので、いくら相手が年下でも恥ずかしくなってしまう。

「それから?」

 聞くと、大河はうつむいた。そして、何でもないとでも言うかのように首を振る。

「明日、球小に勝ったら言うよ」
「じゃあ、一生言えないわね!」

 はニッと笑って身を屈め、大河の目を見た。

「大河くん、さっきから私が球小のマネージャーってこと忘れてる。これだけは言っておくけど、球小は絶対に負けないから!」

 言いたいだけ言うと、何となくスッとした。さっきまで自分が別世界に迷い込んだみたいに感じていたが、それもなくなったみたいだ。体を元に戻し、さらに両手を上にあげてぐっと伸びをした。明日はここに乗り込むのだから、今から弱気になってはいけないんだ。そう思うと、落ち着きのなさまでもどこかに飛んで行ってしまう。
 目を丸くして見ている大河に微笑み、土で汚れていない方の手でその頭をなでた。

「さっき言いたかったこと、明日の試合が終わってからってことでいいんじゃない?」
「君がそう言うのなら、そうするよ」

 子供らしくもない、やれやれ、と言ったような顔をして大河も微笑んだ。



 聖アローズを後にして球小に戻った時には、太陽が西の空に沈みかけていた。
 試合前日のため、他の部が練習を終了していても闘球部だけは練習をまだまだ続けるみたいだ。

、ごくろう!」

 三笠がに気がついて声をかけてきた。捕球訓練の途中だったのか、ボールを持っていた。その向こう側に疲れきった顔をしている部員たちがいた。

「場所の確認してきた。あと、闘球場の土はここと同じだったわ。明日は午後から雨みたいだし、足場に気をつけないとね」
「そうか。雨に備えた練習もしておかないとな」

 その言葉を聞いた部員が泣き出しそうな顔をする。うるんだ目でを見てきたが、当然の如く知らんふりを決め込んだ。
 少し遠くの方で火浦が練習をしていた。かなり必死だ。

 また球のスピードが上がったかな。

 火浦は壁に向かって投球訓練をしていた。その球が矢のように走っていく。投げる火浦は、ただ的だけを見ていて、必死な顔だ。そう言えば、こうして必死にショットしている火浦を見るのは久しぶりだ。

「おい、!」

 肩を叩かれて、振り向くと三笠が心配そうにこちらを見ていた。

「な、何?」
「何、じゃないだろ。さっきから呼んでたんだぞ? それより、ボールが足りなさそうだから持って来てくれ」
「わ、わ、わかった!」

 気まずさを打ち消すように、は体育倉庫に走った。

 やばい、今ずっと高志を見てた。

 顔が赤くなるのを誰にも見られまいとしながら、意味もなくダッシュする。
 考えてみればここのところずっと、気がつけば火浦のことを見ていた。はそれに気がついて、胸の鼓動を抑えることができなかった。

 試合が終わったら、お兄ちゃんに相談してみようかな。

 そう思いながら体育倉庫の扉を開けた。叶なら、こういうことに詳しそうだという気がする。
 重いボール入れを押していると、横に誰かが来て、一緒に押してくれた。

「高志?」

 横を見てあっ、と驚く。噂をしていれば何とやら、だ。噂と言っても、口には出さず考えていただけなのだが。

「学校では苗字で呼べ。聞かれたらまずいだろ?」
「ごめん、驚いちゃって」

 胸のドキドキがさらに強くなる。
 火浦が手伝ってくれたので、あっという間に運ぶことができた。

「ありがとう。助かった」
「いや。キャプテンにが一人じゃ大変だから手伝って来いって言われてな」
「三笠くんが?」

 の顔はますます赤くなった。そんな顔を見せられないので、あわててうつむく。もしかすると、が火浦をじっと見ていたことがばれていて、さらに変な気を使わせたんじゃないだろうか。

 穴があったら入りたい!

 が思わず両手で頬をおさえていると、火浦がの額に手をやってきた。

「熱でもあるのか? 顔が赤い」
「な、な、なんでもないから!」

 あわてて弁解すると火浦は、

「ならいいが……」

 と、練習に戻って行った。
 行ってくれてよかったという安心感と、もうちょっと心配してよと言いたい気持ちとが複雑に交差している。は、走っていく火浦を目で追っていた。

 明日、晴れるといいな。

 なんとなく、そう思う。
 ふと、足元にボールが転がっているのに気がついた。拾い上げて、構える。

「火浦くん!」

 やや遠くにいる火浦に、思い切って声をかけた。彼は立ち止まり、の方を向く。は構えて、投げた。
 ヒュン、と弧を描いてボールは火浦の元に届く。

「ナイスパス!」

 火浦がそう言って笑ったのが、には妙に嬉しかった。

 そうか。そうだったんだ……。

 は気がついた。

 私、高志のことが好きだったんだ。

 夕日が沈み、紫色に染まる空を見上げながら、は生まれて初めて抱いた感情の余韻に浸っていた。

第四話 転がったボール:終

 やたら長くてすみません。
 ええと、大河さまに好かれる様でした。
 あと、この連載では恋愛に積極的な様という設定でいきたいと思います。
 次回は聖アローズとの対戦です。来週も見てくださいねー! じゃんけん・・・って、やらないよ!

      冬里

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