桜はもう散ってしまった。今は緑の葉が緩やかな太陽の光を受けて輝いている。そんな桜の木の下で、Jはトレーニングをしていた。驚羅大四凶殺に向けて特訓しているのである。 そんな時、一つの影が彼の背後にたった。 気配に気がついてJは振り向く。立っていたのはであった。
特訓「精が出るな、J」 にこりと笑ってそう言う。Jは拳を下ろし、改めての方を向いた。
「通りかかっただけだから、続けていていいんだぜ?」
はもう散ってしまった桜の木を見上げた。日本人は桜を特別なものとして見るらしい。美しく咲いて、潔く散る。それを自分たちと重ね合わせているのだろう。もう緑の葉しか残っていない桜を見てが何を考えているのか、Jは知りたかった。 「勝てよ、J」 真剣な表情だ。あまりにも真剣なので、いつもならすぐに出てくる返事も出てこない。死ぬな、と言わずに勝てよというところがらしい。 「分かってる」 やっとのことでそれだけ言って、またトレーニングに戻る。もうすぐで、伝説といわれた必殺技が完成しそうなのだ。は立ち去ろうとせずにその場にいたままだ。視線を感じながら続けるのも悪くはない。 「アメリカに帰りたくはないのか」 急に言われて、動きを止める。
「なぜ?」
いたずら小僧みたいな目で、笑う。
「今は帰りたくない」
じゃあな、と言っては去って行こうとした。 お前がいるから帰りたくないのだ。
なんて女々しさだ、とJは自嘲した。そんなことは決して本人を前にして言うことはできないだろう。それでいい。男を極める男塾で、そんな女々しいことを言われたらだって迷惑だ。
特訓:終
タイトルと内容が合ってないなあ。ほんとに。 すいません、伊達だと言ってたのになぜかJです。 話の流れに沿って、次回は大四凶殺が終わった辺りからで。あー。いろんなキャラ書きたいです。 冬里
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